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今日の宇宙天気(中級)

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今日の宇宙天気(中級)

最近の宇宙天気情報を見てみましょう!
中級では自分でサイトの観測データを見ることにも挑戦してみましょう。
最新の太陽
SDO衛星による現在の太陽画像



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宇宙天気ニュース










宇宙天気全般

NICT データ配信サービス
日報(今日の宇宙天気情報)

太陽の情報

太陽の各種観測データ
1:太陽の黒点
太陽の最新画像: 人工衛星SDO(NASA)による黒点
黒点数の情報:黒点情報 ©NICT
黒点についての詳しい説明はこちらから©NICT

2:太陽のX線活動
太陽X線強度: 静止衛星GOES(NOAA)による最新データ

3:静止軌道の高エネルギー粒子観測
静止軌道のプロトン粒子: 静止衛星GOES(NOAA)によるプロトン粒子密度の最新データ
静止軌道の高エネルギー電子: 静止衛星GOES(NOAA)による高エネルギー電子の最新データ
プロトン現象についての詳しい説明はこちらから©NICT

4:コロナ質量放出(CME): 人工衛星SOHO(NASA/ESA)によるリアルタイムコロナ質量放出動画
フレア活動が活発なときにコロナ質量放出もよく起こります。
コロナ質量放出(CME)についての詳しい説明はこちらから©NICT

5:デリンジャー現象: GOES衛星によるデリンジャー現象の現況
短波は主に電離圏のF層で反射されて長距離伝搬しますが、電離圏の最下部にあるD層は、その性質のため電波を吸収します。
吸収量はD層の電子密度が高いほど大きく、低い周波数ほど影響されます。D層の電子密度は太陽の紫外線やX線による電離反応で
維持され、日没とともに殆ど消滅します。太陽の放射するX線の強度は著しく変動し、大きな太陽面爆発(太陽フレア)が発生すると
通常時の100倍から1000倍にも達します。このとき、D層では異常に電離がすすみ、短波電波の吸収(ブラックアウト)が起こります。
これがデリンジャー現象です。デリンジャー現象の継続時間は数分から数時間にわたるものまであります。
デリンジャー現象についての詳しい説明はこちらから©NICT


太陽観測衛星についてはこちらから


宇宙天気スケールについて

【参考】 NOAA/SWPC宇宙天気スケール

デリンジャー現象
スケール 標 記 GOES X線
ピーク強度
平均的な発生数 影 響
R5 Extreme(極端に大きな) X20 1回未満/11年 昼間の地域で数時間程度の短波通信障害およびロラン航法への影響
R4 Severe(猛烈に大きな) X10 8回程度/11年 昼間の地域で2時間程度の短波通信障害およびロラン航法への影響
R3 Strong(大きな) X1 175回程度/11年 昼間の地域で1時間程度の短波通信障害およびロラン航法への影響
R2 Moderate(やや大きな) M5 350回程度/11年 昼間の地域で数十分程度の短波通信障害およびロラン航法への影響
R1 Minor(小さな) M1 2000回程度/11年 昼間の地域で短時間の短波通信障害およびロラン航法への影響の可能性


太陽高エネルギー粒子

スケール 標 記 エネルギーが
10MeV以上の
フラックス
平均的な発生数 影 響
S5 Extreme
(極端に大きな)
100,000 1回未満/11年 *人工衛星のメモリーエラーや光学センサーのノイズ増加などによる障害の発生
*人工衛星の撮像装置のノイズ増加
*人工衛星の太陽電池の永久的な効率劣化の可能性
*極域で短波通信障害
*宇宙飛行士の船外活動で高い被曝リスク、極域航空路で被曝量増加のリスク
S4 Severe
(猛烈に大きな)
10,000 3回程度/11年 *人工衛星のメモリーエラーや光学センサーのノイズ増加などによる障害の発生
*人工衛星の撮像装置のノイズ増加
*人工衛星の太陽電池の永久的な効率劣化の可能性
*極域で短波通信障害
*宇宙飛行士の船外活動で被曝リスク、極域航空路で被曝量増加のリスク
S3 Strong
(大きな)
1,000 10回程度/11年 *人工衛星でシングルイベントアップセットの発生の可能性
*人工衛星の撮像装置のノイズ増加
*極域で短波通信障害の可能性
*船外活動中の宇宙飛行士への被曝リスク回避勧告、極域航空路で被曝量増加のリスク
S2 Moderate
(やや大きな)
100 25回程度/11年 *人工衛星でシングルイベントアップセットの可能性
*極域で短波通信に影響を与える可能性
*極域航空路で被曝量増加の可能性
S1 Minor
(小さな)
10 50回程度/11年 *極域で短波通信に小さな影響


地磁気嵐

スケール 標 記 Kp指数の値 平均的な発生数 影響
G5 Extreme
(極端に大きな)
Kp=9 4回程度/11年 *送電網の障害による停電の可能性
*送電網の変圧器で損傷の可能性
*人工衛星で表面帯電による障害の可能性
*衛星を使った測位で精度の劣化の可能性
*短波通信障害の可能性
*地磁気緯度40度程度(北海道北部)の地域でオーロラの可能性
G4 Severe
(猛烈に大きな)
Kp=8(9-を含む) 100回程度/11年 *送電網の保護リレーで誤動作の可能性
*人工衛星で表面帯電の可能性
*衛星を使った測位で精度の劣化の可能性
*短波通信障害の可能性
*地磁気緯度45度程度(サハリン北部)の地域でオーロラの可能性
G3 Strong
(大きな)
Kp=7 200回程度/11年 *送電網の保護リレーで誤動作の可能性
*人工衛星で表面帯電による障害の可能性
*衛星を使った測位で精度の劣化の可能性
*短波通信障害の可能性
*地磁気緯度50度程度(カムチャッカ半島北部)の地域でオーロラの可能性
G2 Moderate
(やや大きな)
Kp=6 600回程度/11年 *高緯度地域の送電網で障害の可能性
*低軌道の人工衛星で軌道変動の可能性
*高緯度の地域で短波通信障害の可能性
*地磁気緯度55度程度(カムチャッカ地方北部)の地域でオーロラの可能性
G1 Minor
(小さな)
Kp=5 1700回程度/11年 *送電網で小さな電圧変動の可能性
*人工衛星の運用に小さな影響を与える可能性
*高緯度の地域でオーロラの可能性


太陽-地球間の情報

最新の太陽風データです

人工衛星ACE(NOAA/SWPC)によるReal-Time Solar Wind
磁場強度、太陽風速度他のリアルタイムデータを見ることができます


太陽風データの例


上から
1番目

白線:太陽風の磁場強度
赤線:磁場の南北成分、単位はnT ナノテスラ



2番目(青) 太陽風磁場のセクター構造(磁場の極性)
  地磁気情報(NICT)



3番目(オレンジ) 太陽風のプラズマ密度、単位は個/cm3



4番目(黄) 太陽風速度(単位はkm/s)



5番目(黄緑) 太陽風プラズマの温度、単位はK(ケルビン)



地球磁気圏の情報<宇宙天気とオーロラ発生について>

1.Kp指数(Kplanetary index) Kp指数(NOAA/SWPC)

K-indexグラフの例(2015年3月17日以降、地磁気の擾乱が急激に大きくなり、世界各地でオーロラが観測された。
日本でも北海道名寄市でオーロラを観測、撮影ができたことが報じられた。なお、米海洋大気局
(National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)は同じ日、前週末に2回連続で起きた
太陽表面での爆発現象「太陽フレア」により強烈な磁気嵐が発生し、地球上の電力網や通信網に障害が
生じる恐れがあると発表した。

Kp<4(緑):静穏、Kp=4(オレンジ):やや擾乱、Kp>4(赤):擾乱



オーロラ予報
 
見方
Kpが3未満 オーロラ活動はあまり活発ではありません。
Kpが3 激しいオーロラが見られる可能性があります。
Kpが4以上 激しいオーロラが一晩に何度も見られるでしょう。
Kpが7以上 磁気嵐です! すばらしいオーロラに恵まれるでしょう。

Kp指数について
  1949年にドイツ・ゲッチンゲン大学の Bartlesによって考案された指数であり、
現在はドイツのGeoForschungsZentrum (GFZ)Potsdamによって算出されている。
この指数はサブオーロラ帯 (オーロラが頻繁に見られる領域の少し赤道側) にある13箇所(現在)の観測所でのUT3時間の
地磁気擾乱の振幅を対数的に、28段階で (静穏な順に 0,0+,1- ... ,9-,9) 表現したものであり、地磁気の擾乱の
程度を表す指数として比較的広く使われています。

2.EDst指数

EDst指数 (©九州大学ICSWSE)Quick Look Plot


EDstグラフ例


EDst(equator disturbance storm timer)について(九州大学)
EE-index (EDst, EU, EL) は,MAGDAS/CPMN のリアルタイムデータを用いて、短期間、また長期間に渡る赤道ジェット電流(EEJ)
の監視を目的として導出された新しい指数です。(Uozumi et al., 2007) 磁気赤道に沿ったMAGDAS/CPMN観測点のうち、
夜側(地方時:18 時~06 時) にある観測点で得られた地磁気のH 成分を平均すると、その変動はDstとよく似ていることがわかります。
そこで我々は、この値をEDstと定義しました。EDstは,宙空環境を準リアルタイム、また長期に渡って監視するための指標として、
Dstの代わりに用いることができます。各観測点のH 成分からEDstを差し引くと、赤道ジェット電流とカウンタージェット電流の
成分を取り出すことができます。我々はこれらをそれぞれEU、ELと定義しました。
 EUとELを算出する際、EDstの6 時間移動平均を取ったものを用いました。なぜなら、単に夜側磁気赤道観測点のH 成分を平均した
だけのEDstには、磁気圏境界、磁気圏、電離圏起源の変動電流による多くの成分が入り込んでいると思われるからです。
EDstの6 時間移動平均の他にも時間の長さを変えてEDstの移動平均を取ってみると、EDstの2 時間移動平均を取ったものが
もっともDstに近いことがわかりました。ただ、Dstが中低緯度の観測点で得られたデータを用いて計算されているのに対し、EDstは
磁気赤道域の観測点で得られたデータを用いているので、特に磁気嵐の主相最大の時に両者のずれは大きくなります。EDstには
磁気赤道域特有に発生する成分が含まれていると考えられます。
 上記のようにEDstは磁気赤道領域の磁場観測データから求めた赤道環電流の強さを示す目安です。磁気嵐の時には赤道環電流が
強まり、EDst指数は下がります。

赤道環電流と磁場の変動
Dstグラフ例

Dstに(disturbance storm time)について
磁気嵐の時に発生する、地球を取り巻く環状の電流が地球磁場をどの位うち消すか示すもので、ナノテスラ単位で表します。
通常中緯度の地上では、地球磁場の大きさは4~5万ナノテスラですが、磁気嵐の時はその水平成分が100~600ナノテスラ減少
します。この減少した値がDstです。





3.AE指数
本日のAE指数グラフ(京都大学WDC)

AE指数グラフ例

AE(auroral electrojets)指数について
極域電離圏ではオーロラ活動に伴って大規模な電流が流れます。時々、オーロラ活動が爆発的に発達し、それと共に
電離圏電流が急激に増えます。この電流をオーロラエレクトロジェット電流と呼び、この極域での擾乱(じょうらん)
disturbance現象をサブストームと呼びます。
AE指数は、オーロラ帯において経度方向に比較的等間隔に分布した観測所の地磁気データを用いて、オーロラエレクトロジェット
電流の変動を指数化したものです。これにより、磁気圏からのエネルギー流入、サブストームの発達の様子等を知る事ができます。
AU,AL,AE,AOの4成分からなり、単位はnTで1分値と1時間値があります。北半球高緯度約12ヶ所の観測所での地磁気水平成分を用いて
算出されています。各観測所の観測値からその月の地磁気静穏日の平均値を引いた値のうち、全観測所中での最大、最小値が
それぞれAU,ALであり、概してAUは正、ALは負です。 AEとAOは AE=AU-AL, AO=(AU+AL)/2 として求められます。おおむね、
AUが主に夕方に流れる東向き電流の強さを、 -ALが主に明け方から真夜中に流れる西向き電流の強さを反映しています。